内閣府の調査は、総合的な生活満足度とは別に、13の分野についても0〜10点の満足度を聞いています。家計、仕事、住宅、健康、人とのつながり、といった分野です。
報告書では、この13分野の満足度から総合的な生活満足度を説明する重回帰分析が行われています(図表1-11 モデル1、サンプル10,633人、修正済み決定係数0.67)。ざっくり言えば「どの分野の満足度が1点上がると、生活満足度は何点動くか」を推定したものです。
結果は、多くの人の予想と違うかもしれません。最も係数が大きかったのは「生活の楽しさ・面白さ」で0.399。2位の「家計と資産」の0.244と比べて、1.6倍以上の開きがあります。
そのうえで「家計と資産」の平均点は4.96点と、13分野の中でも低いほうです。効き目が2番目に大きい分野で、実際の満足度が低い——ここに伸びしろが集まりやすい構造になっています。
逆に、係数が小さい、あるいはマイナスに出た分野もあります。「身の回りの安全」と「子育てのしやすさ」は統計的に有意ではなく、「政治・行政・裁判所への信頼性」「自然環境」「介護のしやすさ・されやすさ」は係数がマイナスでした。大事でないという意味ではなく、他の分野の影響を差し引いたときに、生活満足度の高さを説明する方向には働いていなかった、ということです。