「お金で幸せは買えるのか」という問いに、内閣府の調査は正面から答えているわけではありません。ただ、答えを考える材料は2つ提供しています。満足度の水準と、効き方の大きさです。
まず水準。「家計と資産」の満足度は4.96点で、13分野の中で下から4番目です。これより低いのは「政治・行政・裁判所への信頼性」(4.37点)、「介護のしやすさ・されやすさ」(4.82点)、「雇用環境と賃金」(4.92点)の3つだけで、下位はお金と制度に関わる分野で占められています。ちなみに前回調査から上昇したのは「雇用環境と賃金」「仕事と生活(WLB)」「自然環境」で、報告書は名目賃金の上昇や正規雇用の増加を背景に挙げています。
次に効き方。重回帰分析での「家計と資産」の係数は0.244で、13分野中2番目に大きい値です。「雇用環境と賃金」は0.057なので、同じお金の話でも、賃金より家計・資産のほうが4倍以上効いていることになります。
この2つを合わせると、「家計と資産」は満足度が低く、かつ効き目が大きい分野という位置づけになります。伸びしろが集まりやすい構造です。
ただし1位ではありません。1位は「生活の楽しさ・面白さ」の0.399で、家計の1.6倍以上あります。お金の満足度は確かに効きますが、それ単独で最大の要因ではないというのが、このデータの示すところです。